テレビ放送された映画の感想日記
20010年〜
2010年後半に見たテレビ放映の映画
  2010年9月   「ヘブン」  1970 年制作      
 アメリカ、ドイツ、イギリス、フランスの作品、なのに舞台はイタリア。
 前半、ケイト・ブランシェット演じる女教師がある男を殺そうと、ビルに爆弾を仕掛けます。
 しかし、計画は失敗し、全く関係のない4人を殺してしまいます。
 捕まった女教師はその事実を知り、失神、助け起こした若い刑務官が
 一目ぼれ&警察組織の汚職を知り、警察から助け出す作戦を決行。
 そして、二人の逃亡劇が始まります。
 前半はスリリングなサスペンスで、後半はイタリアのきれいな景色が目を惹きます。
 主演のケイト・ブランシェットが強烈だ。このような絶望的な状況や孤独感・焦燥感を
 演じたら天下一品だ。映画の中で、スキンヘッドになるまでして演じた役者根性が立派だ。
 本当に役者魂を感じる女優さんだ。

  2010年7月   「雨の訪問者」  1970 年制作      
 名匠ルネ・クレマンがチャールズ・ブロンソンを招いて撮ったフランス映画。
 ブロンソンが飄々と演じてみせる軍人は、殺人の容疑をそらそうとするヒロインとの
 駆け引きをしながら、彼女との対話をゲームのように楽しむ。
 40年前の映画とは思えない程、今でも充分に通用するお洒落な衣服。
 ミニスカートのワンピース、真っ白なレインコートと帽子、とっても可愛い。
 それと フランシス・レイの音楽がいい。  → ここ
 フランス映画は、ちょっとアメリカ映画とは雰囲気が違うな〜と思った映画だった。
映画資料より 
ある雨の夜、人妻のメランコリー・モウは、自宅に侵入した見知らぬ男に襲われた。 パイロットである夫のトニーの留守中のことだった。メリーは男を撃ち殺し、死体を海へ捨てた。 翌日、メリーの前に別の見知らぬ男ハリー・ドブスが現れた。ドブスは訳知り顔で昨夜の事件のことを尋ねてきた。 メリーは「殺してなどいない」ととぼけた。ドブスの狙いは男の持っていたバッグのようだ。 メリーは駅でそのバッグを発見した。メリーは慌ててバッグを隠そうとしたが、その現場をドブスに見られてしまった。 やがて、メリーは車の中で本物のバッグを発見した。その中には金が詰まっていた。 駅のバッグはドブスの罠だったのだろうか。メリーはドブスの宿泊先のホテルに飲み込み、正体を明かすよう迫った。 殺された男は元兵士のスルノ・サキであり、彼のことを調査していたドブスは米軍の大佐だった。 そして、サキ殺害の容疑者として、彼の恋人であるマドレーヌ・ルゴフが逮捕されたという。 メリーは、パリにいるマドレータの姉のもとへ妹の無実を教えに行った。だが、そこには偶然、 メリーの父親と因縁のある男が待ち受けていて、メリーは手荒い歓迎を受けるはめに。 メリーは危ないところを駆けつけたドブスに助けられた。ドブスからマドレーヌが罪を認めたことを知らされたメリーは、 自分が殺した男はサキとは別人だったことを知った。安心したメリーは、証拠のバッグを捨てようとしたところを、 またしてもドブスに見られてしまった。だが、ドブスは海から上がった死体が握っていたメリーの服のボタンを回収し、 何も言わずにメリーの罪を見逃したのだった。

  2010年7月   「ボーイズライフ」  1993年制作      
 この映画は今から17年前に制作された映画で レオナルド・ディカプリオが主演。
 揺れ動く多感な少年の役を見事に演じていた。
 ロバートでニーロも昔堅気父親像、暴力によって抑え込もうとする義父の役を
 迫力ある演技で共演していた。 見ごたえのある映画だった。
映画資料より 
1957年のアメリカ。暴力的な恋人から逃げて、息子のトビーと新しい生活を夢みるキャロラインは、 社交的な男ドワイトと結婚。だが、多感なトビーは威圧的なドワイトになじめない。 その嫌悪感はやがてピークに達し……。青年期の苦い思い出を綴ったT・ウルフによる同名の自伝的小説を、 豪華なスタッフ、キャストで映像化。 母親のキャロライン(エレン・バーキン)と息子のトビー(レオナルド・ディカプリオ)は、 キャロラインは、明るくユーモアがあって社交的な紳士ドワイト(ロバート・デ・ニーロ)と出会い、 彼に強くひかれる。トビーの生活態度を改めるため、ドワイトの元に預けられることになったが、温厚そうに見えた彼は 「おまえを鍛えなおす」と脅かして厳しく当たる。それはしつけというより暴力的な威圧だった。 ドワイトとキャロラインは再婚し、彼の家での新しい生活が始まる。やがて、ドワイトは次第に父親としての権威を押しつけ、 暴君のように振る舞いはじめた。それは、彼が本当は小心者にすぎないことの現れだった。だが静かな暮らしを望む母親は、 反抗するトビーをなだめながら従順に従う。保守的でつまらない町で2年間を過ごしたトビーは町を出ていくことを決意し、 大学の奨学生試験を受ける。合格した彼にドワイトは悪態をつき、我慢の限界に達したトビーは、ついに父を殴り倒して母と手を 取り合って家を飛び出す。それは、自分の将来の夢と可能性を信じた勇気ある決断だった。

  2010年6月   「ミス・ポター」      
 この映画は素敵な映画だった。  ピーターラビットで有名なビアトリクスポターが、
 作家として自立していく様を描く伝記的作品。
 主人公ビアトリクスは純粋で優しい心を持つ少女のような女性。
 レニー・ゼルウィガーが、おっとりとした上流階級の女性の役を見事に演じていた。
 イギリスの湖畔のそばに住み、絵本の製作にはげむビアトリクスポター。
 心なごむ田舎の風景が映しだされ、この映画は映画館で見たかったと思った。
 予告編のページは。 → ここ
 ポターの絵を気にいり、絵本を出版してくれた編集者と恋におちる。
 このまま、結婚にこぎつけると思っていたのに、突然の不幸がポターを襲う。
映画資料より 
ピーター・ラビットの作者として知られるビアトリクス・ポターTMの人生を描く。 ヴィクトリア朝の封建的な空気が残る1902年のロンドン。上流階級の家庭に育ったビアトリクスは、 子供の頃からの夢であった絵本を出版しようとしていていた。主人公は、青い上着を着た愛らしいうさぎ、ピーター。 新人編集者、ノーマンはビアトリクスの絵に魅了され、二人で制作した絵本はたちまちイギリス中に知られるようになった。 いつしか愛し合うようになる二人だったが、ビアトリクスの両親は身分違いの結婚を許さなかった。 しかし、結婚出来ると思った時に、ノーマンは肺炎で亡くなってしまう。

  2010年6月   「セックス・アンド・ザ・シティ」      
 話題の映画「セックス・アンド・ザ・シティ」の2が公開されるとの事で
 2年前の映画「セックス・アンド・ザ・シティ」の1のテレビで放映された。
 想像していたより、面白い映画だった。
 主人公のキャリー役のサラ・ジェシカ・パーカーは顔が長くて、背もあまり
 高くないのだが、仕事も出来ておしゃれが抜群というキャリアウーマンの役が
 ぴったりだった。 この映画が人気があるのが分かる気がした。
映画資料より 
セックス・コラムニストのキャリーは理想の男性ミスター・ビッグと一緒に暮らすため瀟洒なアパートを購入し、 次いで結婚も決意する。PR会社社長のサマンサは俳優を目指す恋人スミスを売り込むためにL.A.に引っ越し、 再婚したシャーロットは中国から養女を迎え念願の母親に。弁護士のミランダは幼い息子と老いた義母を抱え、 てんてこまいの日々を送っていたが、彼女たちはキャリーを祝福し結婚式の準備を進める。 人生の経験を積めば積むほど迷いが生まれるものらしい。だからこそピンチのときに救いの手を差し伸べて 支え合う彼女たちの固い絆が物を言うのだ。大ヒットTVシリーズの終了から4年、恋に仕事に貪欲な4人の女たちの その後のドラマがスクリーンで新たに展開する。製作も兼ねるサラ・ジェシカ・パーカー以下、お馴染みのキャストが 勢揃いするのに加えて、『ドリームガールズ』のオスカー女優ジェニファー・ハドソンが、 ニューヨーク初心者を演じ華を添える。もちろん着せ替え人形よろしく取っ換え引っ換え300着もの衣装を 着こなす女優たちのファッションも見逃せない。

  2010年6月   「ウエストサイド物語」      
 ず〜と昔に劇場で見た映画だが、テレビ放映されると分かり、録画して見た。
 記憶はいい加減だったと思い知らされ、こんなに素晴らしい映画だったのかと。。
 私の記憶では、ジョージ・チャキリスとナタリー・ウッドが恋人同士で
 敵対するジェット団とシャーク団にそれぞれ所属するため悲恋に終わると思っていた。
 ところが、2人は兄弟だったなんて。。 そしてダンス、音楽が素晴らしい〜 
   「AMERICA(アメリカ)」 『マリア(Maria)』 『ジェット・ソング(Jet Song)』
 『トゥナイト(Tonight)』、『ひとつの心(One Hand One Hart)』 『クール(Cool)』など。。
 数十年前の映画でも色あせないミュージカル映画で大拍手の感動の映画だった。
 予告編のページを見つけた。 → ここ
映画資料より 
ジェット団(白人系)とシャーク団(プエルトリコ系)はニューヨークのウェスト・サイドに巣くう対立する不良少年のグループである。 きっかけさえあれば今にも爆発しそうな空気のなかでのダンスパーティーそこで一目で愛し合うようになった二人、 マリア(ナタリー・ウッド)はシャーク団の首領ベルナルド(ジョージ・チャキリス)の妹であり、 トニー(リチャード・ベイマー)はジェット団の首領リフ(ラス・タンブリン)の親友だった。 しかし、ジェット団とシャーク団はついにぶつかってしまった。マリアの必死の願いにトニーは両者の間に飛びこんで行ったが、 血気にはやる彼らはトニーの言葉に耳をかそうとしなかった。そしてリフはベルナルドに刺されて死んだ。 親友リフの死に我を忘れたトニーはベルナルドを殺してしまった。ベルナルドの恋人アニタ(リタ・モレノ)に 責められてもトニーを忘れられないマリアは、トニーの高飛びに同意する。 シャーク団のひとりチノはベルナルドの仇を打とうとトニーをつけ狙い、警察の手ものびてくる。 アニタはマリアの愛の深さを知り、トニーと連絡をとるために街へ出ていくがジェット団に倒された怒りから マリアはチノに殺されたと言ってしまう。絶望して夜の町へ飛び出したトニーの前へ拳銃を構えたチノが現れた。 急を聞いて来たマリアの腕の中で、トニーは絶命した。 アニタ役のリタ・モレノが熱演によりアカデミー助演女優賞を得ました。当時、日本で人気がでたジョージ・チャキリスも助演男優賞。その他、作品、監督、撮影、美術、音楽、音響、編集、衣裳デザインとアカデミー賞を10個獲得しました

  2010年6月   「ホワイトライズ」      
 片思いの女性が、あこがれの男性に気にも留めてもらえず、嫉妬のあまり、
 熱々の恋人だった2人を別離させてしまった怖いお話し。
映画資料より 
広告業界で成功を収めた若きエリートビジネスマン、マシュー(ジョシュ・ハートネット)は、ニューヨークから 故郷であるシカゴに戻っていた。結婚を控えた婚約者らと共に、ホテルのレストランでビジネスの成功と 結婚の前祝いをしていたマシューは、電話ボックスの前で思いがけず、ひとりの女性の姿を目撃してしまう。 それは、2年前マシューの前から突然姿を消したかつての恋人リサ(ダイアン・クルーガー)の後ろ姿だった。 一目見た瞬間から運命的ともいえる激しい恋に落ち、互いに心から愛し合っていたはずのリサは、ある日、 何の前触れもなくマシューのもとを去ってしまったのだ。リサが姿を消した理由もわからず、 ひたすら塞ぎこんでいたマシューは、その後ニューヨークへと渡り、現在の地位を獲得したのだった。 もう一度リサに会い、愛を確かめたい、その一途な想いからマシューはリサを探すことを決意する。 電話ボックスの中に残されていたホテルの鍵を手がかりに、マシューはリサを求めシカゴの街を彷徨いはじめる。 やがて、マシューはあるアパートメントの一室にたどり着く。その部屋にはリサの面影が色濃く残る様々なものが 並べられていた。恋人だった者だけにわかる、愛しい人の匂いと空気を感じたマシューはそこに確かにリサがいたことを悟る。 しかし、そんなリサとの想い出に浸り、すべてを愛しく眺めているマシューの前に現われたのは、外見も雰囲気もリサとは まったく違う黒髪の女性だった。しかもその女性は愛しい人と同じリサという名前だったのだ。 部屋の持ち主がまったくの別人だったことを知り、深い悲しみに襲われるマシュー。そんな彼を黒髪のリサは 優しく慰め、ふたりは一夜を共にしてしまうのだった。 しかし、このリサにはあまりにも切なく、悲しい秘密と嘘が隠されていた。このリサはアレックス。 二人が幸せになろうとしている様子に嫉妬し 出来心というより確信的に二人の間を裂いてしまうことになるアレックス。  どこまでも執拗に妨害工作を続けるアレックスの様子は怖いくらい

  2010年5月   「妹の恋人」      
 若き日のジョニー・デップが出演している映画だった。
 精神を病んだ妹が恋をする様子に不安を隠しきれない兄、そのせいかもあって
 自分の恋もうまくいかないナイーブな役を、見事に演じたと思う。
映画資料より 
幼い頃に火事で両親を亡くした兄妹ベニー(アイダン・クイン)とジューン(メアリー・スチュアート・マスターソン)は 静かな片田舎で暮らしていた。 神経過敏で精神の安定を欠くジューンをベニーは親のような感情で見守っていた。 精神科医のガーペー(C・C・H・パウンダー)はジューンを施設に預けるよう勧めるが、 ベニーには決心がつきかねていた。同僚のエリック(オリヴァー・プラット)は、 ベニーにもっと自分の人生を大事にしろと忠告する。ある日友人トーマス(ダン・ヘダヤ)の家でポーカー に負けた兄妹は、そのツケで勝負の相手のマイクの家に居候しているいとこのサム(ジョニー・デップ)を 引き取る破目になる。サムは読み書きもできず、ほとんど口もきかない風変わりな青年。だが不思議なことに、 ジューンは彼を気に入ったらしい。ある日兄妹とサムは公園へピクニックに出かけるが、昨夜ウェイトレスのルーシー (ジュリアン・ムーア)とのデートに失敗したベニーは元気がない。サムは彼をはげまそうと帽子を使ってパントマイムを始める。 周囲にはいつしか人垣ができ、サムは人々の笑顔に包まれていた。その夜、サムとジューンは心のままに結ばれる。 サムの才能に驚いたベニーは、コメディアンのオーデションを受けさせる手はずをつけるが、それが気に食わないジューンと 言い争いになり、ベニーはサムとジューンの仲が急進展していたことを知る。怒ったベニーはサムを家から叩き出す。 サムとジューンは駆け落ちしようとするが、緊張のあまりジューンは発作を起こしてしまう。 ジューンはそのまま精神病院に入院した。兄の面会を拒み続けるジューンの態度に、ベニーは今彼女に必要なのはサムだと気づく。 ベニーとサムは病院に忍び込み、ジューンを病院から連れ出そうとする。ジューンは最初サムの心情を理解できなかったが、 結局ジューンとサムは一緒に住むことに。ベニーの方は2人の住むアパートの管理人との間で新しい恋が生まれそう。

  2010年5月   「天使がくれた時間」      
 もし2人が結婚していたら、その後の人生は どうなっていたのか?
 どちらの方が幸せだったのだろうかと。。。巻き戻して、結婚した結果は?
映画資料より 
マンハッタンで大手金融会社の社長として活躍するやり手ビジネスマンのジャック(ニコラス・ケイジ)は、クリスマスイブの夜、仕事の帰り道に立ち寄ったスーパーで、奇妙な黒人青年キャッシュ(ドン・チードル)から換金できない当たり宝クジ券を買い取るはめになる。「これから起こることは、あんたが招いたことだ」と謎の言葉を残す青年。その晩、ジャックはいつものように眠りにつくが、翌朝目覚めると、全く見知らぬニュージャージー郊外の家にいることに気づく。隣で眠っているのは、なんと13年前に彼が冷たく縁を切った恋人ケイト(ティア・レオーニ)だった。NYの自分のマンションからは門前払いをくらい、会社では部下が社長の座に。狐につままれた思いのジャックは、この世界にいる自分が、ボランティアで弁護士をしているケイトと、2人の子供と暮らす良き家庭人であることを知る。仕事は、ケイトの父の店のタイヤ・セールス。はじめはとまどっていたジャックだったが、やがてケイトへの愛が蘇り、平凡な生活によって人間らしい素直な感情が芽生えてくるのだった。しかも本来の世界で働いていた会社ともコンタクトが取れ、出世の道まで開けてくる。だがそんなジャックの前に、再びあのキャッシュが現われる時がやってきた。前の世界に戻ってしまったジャックだったが、その世界のケイトのもとを訪れ、やり直そうと告げるのだった。

  2010年5月   「マルタのやさしい刺繍」      
 80歳過ぎても夢を持って生きたマルタおばあちゃん。
 いつの間にか、映画の中のおばあちゃん達を応援している自分がいた。
 笑いと涙、感動と、暖かい気持ちになれる映画だった。 秀作!
映画資料より 
 スイスの小さな村に住む80歳のマルタは、9ヶ月前に夫に先立たれて以来鬱々とした日々を
 送り、自分も早く夫のもとへ行きたいと願うようになっていた。
 ある日、昔得意だった裁縫仕事を依頼され、眠っていた創作意欲に火がつくまでは。。
 若い頃、マルタは手刺繍のランジェリーの店を開くことを夢見ていたのだ。
 早速、親友リジーの手を借りて開店準備を進めるが、村人はハレンチな下着の店に
 眉をひそめるのだった。
 保守的で村中が皆知り合いというこぢんまりとしたコミュニティに、老未亡人が
 一大センセーションを巻き起こす。極めて牧歌的な風景の中で小さな革命が起こるのだ。
 舞台はチーズで有名なスイスのエメンタール地方。ヒロインが得意とする美しい手仕事は
 彼の地の伝統であり、また、夢を実現させ生きる喜びを見出す革新的なパワーにもなるのだ。
 他言語国家ゆえに大ヒット映画は生まれにくいとされるスイスで、ハリウッド大作を抑え
 2006年度の観客動員数No.1を獲得した本作。88歳で映画初主演を果たしたシュテファニー・
 グラーザーを筆頭にベテラン女優たちを輝かせたのは、35歳の女性監督ベティナ・オベルリ

  2010年2月   「エデンの東」      
 若い頃に見た「エデンの東」だったが、すっかり忘れてしまっていた。
 ナイーヴな青年を演じたジェームスディーンの演技は素晴らしかった。
                    
1917年、カリフォルニア州の小都市サリナス。ここで農場を営むアダムには2人の息子がいた。
兄アーロンが真面目で心優しい性格から父に可愛がられる一方、気むずかしく反抗的な
弟キャルは父に疎まれていた。アーロンの美しい婚約者エイブラはそんなキャルが
気がかりだった。
ある日、キャルは父から死んだと聞かされていた母がまだ生きていることを知る。
そしてそれが、どうやら近くで酒場を経営するケートらしいと知り、ふしだらな母の血を
自分だけが引き継いだのだと一人悩むのだった。
1917年、カリフォルニア州の小都市サリナス。農場を経営するアダム・トラスク(レイモンド・マッシー)には、双児の息子があった。兄のアーロン(リチャード・ダヴァロス)は真面目な青年で、アブラ(ジュリー・ハリス)という美しい娘と恋仲。弟のキャル(ジェームズ・ディーン)は兄とちがって何かかたくななところがあり、家族から嫌われていた。父からは母親は死んだと聞かされていたが、キャルは近くのモンタリー郊外で酒場を経営しているケートが、実の母にちがいないと思っていた。そして自分は水商売のふしだらな母の血をついでいるから不良なのだと信じこんでいた。アダムは母の生きていることをキャルに告白したが、彼は去った妻がいまどこにいるのか知らなかった。アダムは、野菜を冷凍して東部へ送り込む新しい計画に夢中になっていた。ある夜、キャルはケートの酒場に忍び込み、彼女を「お母さん」と呼んだが忽ち用心棒に叩き出されてしまった。しかし保安官のサムからケートは実の母であることを聞かされた。彼女がアダムを見捨てたあと、アダムはすっかり気力がなくなってしまった経緯も知った。キャルは野菜冷凍の仕事を一生懸命てつだって父の愛を得ようと決心した。アダムは財産の大部分をかけて冷凍野菜の貨車を東部へ送りこんだ。しかし貨車が途中なだれで立ち往生したため、氷がとけ計画は失敗に終わった。その頃、ヨーロッパの戦火はますます激しく、アメリカの参戦は必至となった。キャルは父の損失を償おうと、豆の値上がりに目をつけ、ウィルという男と組んで豆の買い占めを策した。資金に5千ドル要ると聞いて、キャルはケートに頼みこんで融資してもらった。遂にアメリカは参戦した。キャルは豆が着々と値上がりするので喜んだが、平和主義者のアーロンは、はっきり戦争反対を主張した。アブラは看護婦になって働き、アーロンとの恋は変わりなくつづいていたが、一夜、遊園地でキャルに会い、ふと唇をかわしてからというもの、キャルに惹かれる気持ちを押しとどめることができなかった。優しいが何か強さの足りぬアーロンに比して、キャルのたくましい行動力は、アブラにとって頼もしく思われた。キャルは父の誕生日に、豆で儲けた金をそっくりプレゼントした。アーロンは父への贈りものとしてアブラとの婚約を報告した。父はその婚約をとても喜んだが、キャルの贈りものは受けとろうともしなかった。それどころか戦争で暴利を得るとは怪しからぬと、激しく叱りつけた。絶望したキャルを優しくなぐさめたのはアブラだった。アーロンまでが罵しるのを聞いて、キャルは憤満を爆発させた。彼はアーロンをケートの酒場へつれて行き、母親の秘密を暴露した。アーロンはひどいショックをうけて人が変わったようになり、酔いしれて、そのまま軍隊に志願して列車にのりこんだ。停車場へかけつけたアダムは、信頼していた息子の変わりはてた姿を見て、驚きのあまり卒倒し、半身不随になって明日を知れぬ命となった。アブラは病床のアダムに、キャルを許すよう哀願した。アダムはそれを聞き入れ、苦しい息の下からキャルに看病をたのんだ。キャルはやはり父が自分を愛していたと知って、ようやく絶望から救われた。  

 
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